離婚で悩まれている方へ
最終的な判断は、「好き嫌い」という現在の心境だけで決めず、離婚後の生活を具体的にイメージしてから下しましょう。
補っておくべき要素は、お金なのでしょうか、住まいの確保なのでしょうか、それとも将来的な仕事や地位なのでしょうか。これらに優先順位を付け、譲れない部分と手放しても良い部分を決めていきます。心が折れて自暴自棄になり、大切なものを失わないよう、弁護士をご活用ください。
このようなお心当たりはありませんか?
- 離婚は、特に理由がなくてもできるのだろうか
- 相手の希望している金額が妥当なのかどうかを知りたい
- 父親の場合、親権をあきらめたほうが良いのだろうか
- 取り急ぎ別居をしたいが、お金に余裕がなくて困っている
- 当人同士は合意できているのに、親が口出しをしてきた
離婚で問われる金銭について
離婚時に問われる金銭の種類と内容は、以下に挙げる4点になります。
合意を結んでおくべき金銭なのか、それとも取りあう必要がないのかは、ケースによって異なります。まずはご希望をうかがったうえで、過去判例と照らし合わせながら、実現可能性を探っていきましょう。
財産分与
結婚後に夫婦で築いた財産を、原則として等分します。専業主婦を続けていた場合も例外ではありません。ただし、独身時代から持っていた個人の資産や相続財産は除外します。
慰謝料
浮気や暴力など、相手の言動が原因で精神的被害を被った場合にのみ請求できます。離婚をしたからといって、自動的に発生するものではありません。
養育費
未成年のお子さんがいる場合、子育てする側は相手に対し、養育上必要な費用を主張することができます。いつまで発生するのかについては、「二十歳まで」「大学を卒業するまで」など、お互いに話し合って決めておきましょう。
婚姻費用
結婚資金のことではありません。夫婦生活に必要な出費は等分するのが原則です。したがって、決着が付くまで別居していたような場合には、家賃や生活費の一部を請求することができます。離婚を先にしてしまうと「婚姻関係」が失われますので、主張できなくなります。
親権についての考え方
親権が「得られない」場合のメリットについても、しっかり検証しておきましょう。まず、独身時代と変わらない「自由な生活と時間」が確保できます。また、お子さんからは、毎日のように小言を言われたり怒られたりしない「優しい親」と受け取られるかもしれません。離婚時の取り決めがすべてではございませんので、お子さんが「あなたと暮らしたほうが楽しそう」と考えた段階で、また話し合えば良いのではないでしょうか。
離婚直後の段階では、「相手との良好な関係」を優先し、目先の判断にとらわれないことが大切です。お子さんがどのように育っているのかが心配であれば、面会交流の機会を充実させましょう。むしろ、仕事で忙しい現状より、じっくりお子さんと向き合えるのではないでしょうか。あまり親権にこだわり過ぎると、将来のさまざまな可能性を失ってしまいます。
熟年離婚の注意点
熟年離婚のケースでは、失うものの価値を、いま一度正しく認識してみましょう。
離婚による財産分与は、支払わなくてはならない金銭です。調整・交渉するのりしろはほとんどありません。
また、女性の場合は就職の難しさもあり、自立した生計の糧をどう見つけていくのかが問われます。場合によっては、婚姻関係を続けたまま別居し、婚姻費用を請求するのも方法です。
離婚を弁護士に依頼するメリットとタイミングとは
メリットとしては、初動を誤らず、最初の一歩でゴールに大きく近づけること。タイミングは早ければ早いほど良く、離婚を決めていない段階がベストです。
実際、比較検討のうえ、「離婚をやめた」というご依頼者も少なくありません。大切なのは、正しい判断が行える材料を、早い段階でそろえること。そのために弁護士の知見をご活用ください。