事務所ブログ

2014.08.20更新

前回,別居・離婚後の子育ては誰がするのか,に関し,
面会交流についても若干お話ししましたので,
その流れで,面会交流に協力する監護親の注意点について,
やや具体的にお話ししたいと思います。

前回もお話ししたとおり,離婚・別居後も親子関係は残り,
非監護親もまた親として,子の養育に関与すべきことから,
その一環として,何よりも子の健全な育成のために,
非監護親との定期的かつ円滑な面会交流は欠かせません。
また,子が成長して難しい時期を迎えた場合,
監護親一人だけで対応することはなかなか困難ですが,
非監護親に協力してもらえばより効果的に対応できます。
特に,同性の親との面会交流は,異性の親には話せない話も,
比較的話しやすいという面があります。
さらに,面会交流が定期的に実施されることで,
非監護親の子に対する愛着が強いまま保たれ,
養育費の支払が安定しやすくなるという効果もあります。
それらの意味から,ぜひ積極的に面会交流に協力しましょう。

協力の方法としては,まず,面会交流に先立って,
子が面会交流を負担に思うことのないよう,
面会交流は楽しいものだということを教えてあげて下さい。
間違っても,父親の悪口を吹き込んで,
子どもに接見交流を拒ませるようなことは避けて下さい。
そのような手段を採ったところで,
面会交流審判が申し立てられて調査官調査が行われれば,
専門の調査官が面会交流拒否の理由を調査するため,
何が起きたかはだいたい把握されてしまいますし,
そのような手段を採ることで,監護適格の低い親とみなされ,
他の事情とあいまって親権が奪われる可能性すらあります。

また,非監護親に対しては,自分の監護方針を適宜伝達し,
監護方針に沿った面会交流を行うよう協力を求めてください。
面会交流がどのように行われるかを含めて,
子の監護をどのように行うかを決めるのは親権者の役目です。
ただし,直接話をしてはいけないとか,
一切手を触れてはいけないなどといった過度の要求は,
面会交流を無意味にしますので避けましょう。

そして,面会交流が終わった後は,普段どおり子に接し,
子に負担をかけないよう心がけましょう。
面会交流の後はいつも監護親が不機嫌になる,というのでは,
子は面会交流を楽しめず,段々苦痛になってきてしまいます。
そんなことのないように心がけてください。

さらに,面会交流の時間や方法等は,
これまでの面会交流の実施状況なども踏まえ,
何よりお子さんの都合(例えば学校や習い事など)に合わせ,
スケジュールを組むようにしてください。
非監護親は,普段子と接していないだけに,
子の日常のスケジュールには疎い傾向がありますので,
試験が近い時期は面会交流を中止する,などといった
細かい配慮は,監護親の方から働きかけてください。
また,できれば非監護親の都合にも配慮して,
たとえば父親が広島在住で子が北千住在住であれば,
長休みにまとめて数日交流を行うようにするなど,
交流の実が上がるようなスケジュールを心がけてください。

以上,監護親側で心がけてほしいことを申し上げました。
この他,面会交流の実施にあたって不安や助力が必要ならば,
当事務所に御相談ください。
土日夜間を含む24時間相談に対応しておりますので,
相談者様のご都合のよい日時をご指定いただければ,
いつでも相談に応じます。
相談料も初回60分無料ですので,
ぜひお気軽に電話かメールでご連絡ください。

投稿者: 豊和法律事務所