事務所ブログ

2014.08.13更新

このところ毎日離婚の話ばかりしていますので,
今日は気分を変えて,法廷傍聴の話をしましょう。

日本では,刑事訴訟の公判と民事訴訟の口頭弁論は公開され,
国民は誰でも自由に傍聴することができます。
裁判所は平日の昼間しかやっていませんが,
学生さんは夏休みの間は傍聴する余裕があるはずですし,
社会人の方でも平日に休みが取れた場合は,
ぜひ一度,裁判傍聴に行ってみてください。

裁判傍聴は,特に目的なくぶらっと行ってみるだけでも,
色々な発見があって面白いものですが,
より有意義な傍聴にするためには,
次のような点に気をつけてみてください。

まず,裁判所では多くの事件の審理が行われていますが,
傍聴できる裁判の数には自ずから限度がありますから,
興味がある裁判に絞って傍聴するようにしましょう。
裁判は,大きく分けて民事裁判と刑事裁判がありますが,
民事裁判の手続は基本的には書面中心に進んでいくこと,
主要な話し合いは非公開の弁論準備手続で行われること,
1回の期日だけ見ても意味が分かりにくいことなどから,
刑事裁判を傍聴することをお勧めします。
また,刑事裁判の中でも,「証拠調べ」等の公判ではなく,
「新件」と書いてある公判を選んで傍聴しましょう。
「新件」の公判では,刑事裁判の冒頭手続,
場合によっては被告人質問までの手続の全体が傍聴でき,
刑事裁判の全体像を知ることができるからです。
なお,裁判員裁判はほぼ一日中審理が続くものなので,
その裁判だけ傍聴したい場合以外はお勧めしません。
どこでどんな裁判が行われているかは,
その日裁判所に行って法廷の前に行き,開廷表を見なければ
正確には分かりません。
東京地裁だと法廷の数も多いので,探すのが大変ですが,
それも法廷傍聴の楽しみだと割り切って探してみてください。

次に,裁判が始まる時間です。
民事でも刑事でも,裁判が始まる時間はおおむね10時か,
午後に入って1時,3時のどれかが多いです。
午前なら9時30分,午後なら12時30分ころ,
裁判所に入って法廷を探して入っておきましょう。
途中から法廷に入ることができないわけではないですが,
手続の全体を見られないのではあまり意味がないですし,
場合によっては傍聴席が満員で入れなくなってしまうので,
早めに行動するに越したことはありません。
なお,東京地方裁判所なら地下に食堂もあります。

最後に,傍聴に行く前の準備ですが,
裁判手続に関する簡単な解説書を図書館で借りるなどして,
事前に裁判でどんな手続が行われるのか調べておきましょう。
可能であればその本を見ながら,手続がどう進むのか,
確認しておくとさらに分かりやすくなります。

北千住・南千住周辺から裁判傍聴に行くのなら,
東京地方裁判所ということになるでしょう。
東京メトロ日比谷線に乗って霞ヶ関駅で降り,
案内表示を見ながら進めばそれほど迷わないと思いますが,
家庭裁判所に行ってもあまり意味がないので,
(離婚の裁判などはありますが,民事裁判と変わりません)
ちゃんと地方裁判所に行ってくださいね。

投稿者: 豊和法律事務所