事務所ブログ

2014.07.11更新

先日,相続でもめてしまう原因についてお話ししましたが,
相続をめぐるトラブルを回避するための有効な方法の1つが,
遺言を残しておくということです。

法定の形式にこだわらない広い意味での遺言,
たとえば遺志をメモ書きのような形で残しておいた場合や,
場合によっては相続人に対して口頭で遺志を伝えておいた場合でも,
相続人がそれに納得して相続を進めてくれることはけっこうあります。
その意味で,法定の形式の遺言書にこだわる必要は必ずしもありません。
形式はともかく,遺志を明らかにしておくことの方が大切でしょう。
ただ,その場合,自分の遺志がどのようなものか,
相続人や信頼できる親族にしっかり説明しておく必要がありますし,
可能であれば相続人全員の納得を得ておく必要があります。
法定の形式によらない遺言の場合,一部の相続人が納得できない,
と言い出したら,法的な強制力は何もないからです。

そこで,法定の形式に従った遺言書の作成を考えることになりますが,
法定の形式に従った有効な遺言書を作成するのは,
要件が厳格なだけに,必ずしも簡単ではありません。
書籍などで遺言書の書き方を説明しているものがあり,
そうしたもので十分要件を理解できるならば,それでも構いませんが,
せっかく書いた遺言書に法的な効果がないのは残念すぎますので,
不安がおありならば当事務所まで御相談いただければと思います。
どのような形で遺言書を残すのが最も適切かという点も含めて,
アドバイスさせていただきます。
なお,高齢等で字が上手く書けないとか,漢字がよく分からないとか,
そういう理由で遺言書の作成を諦めていらっしゃる方もおられますが,
そうした場合でも遺言を残す方法は複数ありますので,
まずは御相談下さい。

法定の形式に従った遺言書があれば,遺留分などの問題がない限り,
基本的には遺言書に沿った遺産の分配が行われますが,
遺言書を無視して事実上財産の独り占めを図る者がいたりすれば,
対処は容易ではありません。
こうした問題を完全に解消する方法が,遺言執行者の選任です。
遺言執行者が選任されていれば,遺言執行者の関与しない遺産の処分は
全て無効になりますので,遺言に沿わない財産処分が確実に避けられます。
誰をどのような形で遺言執行者とするのか,
誰か親族の1人を選べばよいのか,それとも弁護士を選ぶ方がよいのか,
そうした点についても御相談いただければ適切にアドバイスします。

上記のいずれの方法を選ぶにせよ,相続は必ずいつかは起こる問題です。
そして,事前に適切な対処さえしておけば,
相続をめぐるトラブルの多くは回避することができます。
避けられるトラブルであれば,避けるための工夫をしておきましょう。
私もトラブル回避のための工夫に全力で協力させていただきます。

当法律事務所では,遺言に関する法律相談も,
土日を含む24時間いつでもお受けしております。
高齢で外出が難しい,そんな方についても,ご連絡いただければ,
ご自宅まで出向いて相談をお受けします。
営業時間外や事務所外の相談についても,初回60分まで無料です。
南千住や北千住,上野程度までの近距離であれば,
出張の交通費もいただかないことにしておりますので,
お気軽にご連絡下さい。

投稿者: 豊和法律事務所