借金の問題を起こさないよう気をつけていても,
予想外の出来事から返済計画が狂ってしまうことは
それほど珍しいことではありません。
急なリストラや会社の倒産で職を失ってしまう場合,
自分や家族の病気・介護等で退職を余儀なくされた場合など,
予定どおりの収入が得られなくなる場合のほか,
保証していた親族の自己破産や交通事故を起こした場合など,
予定外の債務を負わざるを得なくなる場合,
さらには,経営していた会社の倒産のように,
収入・支出の両面で予定が狂うこともあります。
そうした場合でも,転職に成功して相応の収入があり,
可処分所得の中で相応の返済計画が立てられる場合であれば,
前回お話しした任意整理の手続を進めることで,
さほど手間や費用をかけず,資格制限等も受けることなく
借金関係のトラブルを解決することができます。
ただ,経営していた会社の倒産の場合を典型として,
現時点の収入を前提とすると債務の返済が困難という場合,
法的整理の手続である自己破産に踏み切らざるを得ません。
「戸籍が汚れる」とか「債権者に顔向けできない」とか,
自己破産にネガティブなイメージを持っている方もおられますが,
戸籍には自己破産の事実は一切記載されません。
破産手続開始決定と免責決定については官報で公告されますが,
官報を毎日隅々まで見ている人などほとんどいませんから,
自己破産したことを他人に知られる可能性は極めて低いのです。
また,債権者との関係でも,いずれ債務を返済できるなら別として,
既に返済不能ならば,債務者の資産が流出したり劣化する前に,
早急に法的整理を行って債権回収を図る必要が生じます。
破産法18条1項は,破産手続開始の申立権を債権者に与えていますが,
それは破産手続が債権者にとってもメリットになるからなのです。
債権者のためを思うなら,むしろ積極的に自己破産すべきです。
自己破産は,債務者が返済不能な債務を抱えた状態という,
債権者にとっても債務者にとっても身動きできない状態から,
債権者に対しては可能な限り多くの債権回収を,
債務者に対しては経済的な再起の機会を提供することで,
双方の利益の最大化を図る制度なのてす。
自己破産で悩んでいる方は,そのことをよくお考え下さい。
ただし,自己破産には相応のデメリットも伴います。
警備員や保険外交員など一部業種の資格制限が生じるほか,
信用情報機関のブラックリストに載ってしまうため,
クレジットカード作成やローンはしばらくの間不可能になります。
また,破産手続の中では,破産に至った経緯や今後の生活の展望等,
破産者の生活面に踏み込んだ厳しいチェックが行われます。
確実に免責を得て経済的再生を図ろうとするのであれば,
嘘や隠し事をするのは論外として,裁判所の疑問に真摯に回答し,
必要な説明に積極的に協力していく必要があるのです。
自己破産したほうがよいのかどうか,
自己破産するとして,どんな形で手続を進めたらいいのか,
お悩みの方は,一人で抱え込まずに御相談下さい。
当事務所は土日・夜間を含む24時間,
初回60分無料で法律相談に対応しております。
法律事務所への出入りを見られたくない,という場合には,
ご指定の場所に出向いて相談に応じることもできます。
その際,往復交通費だけはご負担をお願いしておりますが,
地元南千住を中心に,上野,北千住,町屋程度までならば
交通費も無料とさせていただいております。
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